新しい年が始まりました。「一年の計は元旦にあり」という言葉がありますが、皆さんはどのような「計」を建てたでしょうか。三学期の始業式で、「知的好奇心を持ってほしい」と申しました。それは、「おもしろい」と思ったことをさらに深く追求してほしいということでした。「おもしろい」と感じるには、ふつうの状態とどのように違っているかを見分ける知識が必要であるとも述べました。
1月17日は阪神・淡路大震災からちょうど2年になります。震災によって、われわれ人間は自然に対してあまりにも弱いものであることを見せつけられました。人間の力ではどうにもならないという経験をすると、「どうにでもなれ」という、消極的な考えになりがちです。
しかし、逆境の中にあっても、人間は知恵を出し合い、力を合わせればその逆境を切り抜けて行けるということを教えてくれました。多くの人たちの善意によって社会は成り立っているという事を明らかにしてくれました。
震災という貴重な体験を「災害」に終わらせることなく、これからの生活の教訓として活かしていかねばなりません。地震についても知的好奇心をもってほしいと思います。この場合、「知的」ということは、理性の眼で見直すと言うことです。
「学校にて」は、私（小田桐 一良）が 兵庫県立須磨友が丘高等学校に勤務していたとき、「友高通信」「育友会報」などを通じて生徒諸君に語り掛けてきたことを集めたものです。
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